ミュージカル「マリーゴールド」を観たよ
こんにちは。
TRUMPの夏が始まった2018。
初日に運よく当日券が当たったので観てきました!
あまりネタバレしない範囲で感想を書いていきます。でも一応、未見の方はご注意ください。何言ってもネタバレに繋がりそうな感じもある
あんまりだ……(某台詞より)
わかっちゃいたけど、あんまりだと思った。完全にあの瞬間キャラと観客の感情がリンクした。
残酷だとか悲劇だとかそういった言葉よりも「あんまりだ」という言葉が一番適切な気がする。罪と罰。愛と祈り。どのキャラクターもとんでもなく大きな業を背負っているんですけど、じゃあ悪なのか?と聞かれたら簡単には頷けない。
そんなやるせなさが重すぎて会場中が泣いてました。ていうか息できてる?ってぐらいの嗚咽が時々聞こえてきて集中がそっちに持ってかれたけど笑。
ミュージカルの感想でこんなこと言うのどうかと思うんだけど、歌がうまいって最高。
若手俳優舞台クラスの人気と観やすさがあるストーリー展開に、グランドミュージカルクラスの役者が揃ってるとか中々ない気がします。
グランドミュージカルってコスチュームプレイがほとんどだから、ストーリー的に少しハードル高いと思う。だからこそ、若い人にもウケるようなTRUMPシリーズに高品質な歌声が合わさったら、そりゃミュージカルとして強いはず。純粋にそういった意味で面白い舞台でした。
【キャラ別感想(敬称略)】
まって、キャラ別に感想言おうにもネタバレになるじゃんこれ…。
マタ・ハリ観た時も思ったけど、宝塚で男役のトップスターになるってことはそれだけ華があるんだなと実感しました。登場から品のある佇まいと美しさ。絵画みたい。
お声もハスキーで聞いていて落ち着きます。ドレス姿がお綺麗でした。
アナベルは演技についてもっと感想言いたいけど、ネタバレになってしまうからこれぐらいしか言えない…。
■ガーベラ(田村芽実)
歌が…うめえ(語彙力)
みんな歌が上手いんですけど、この子はすごい。上手いというか聞いている側の感情が揺さぶられる。
多分、歌詞がなくても彼女は歌で泣かせることができると思う。
言葉を超えた感情の伝え方が上手くて、爪先から頭のてっぺんまで走るように鳥肌立ったの久しぶりでした。
まだ未成年…?末恐ろしいわ。
気づいたんですけど、この人のダンスって足元のステップは上手いんじゃないか?スタイルが良すぎてよく手足を余らせがちって言われているけど、実際に私もそう思うけど、基本的な技術のステップはちゃんとできるしなんだったら上手いと思う。チャールストンかっこよかった。
胴体が細いから腕の長さと隙間が目立って余計に姿勢が気になるけど、どんどん改善されてるしまだまだ良くなる予感しかしない。
歌はいわずもがな。ハモリの技術がおかしい、まだ23歳だよ……?主旋律を立てる歌い方がもうできてるのが純粋にすごいなと思いました。
■エリカ(愛加あゆ)
フリーダ様と同じ顔でなんてこと言うんだ。
でもかわいい。美人。私はエリカの服が一番好きです。華風のエッセンスを感じるロングドレス。
エリカも魅力を書きだすと完全にネタばれる。。かわいいんだよ。見れば分かる。
あと、オープニングの振り付け。私はエリカ様の動きが一番好きです。かわいい。
■ソフィ(三津谷亮)
安心安定の三津谷くん。
少し不安だった歌はほとんど気にならなかった。上手いわけではないけれど、大きく外さないように丁寧に歌ってくれてます。
ダンスや演技での所作がとても美しいので、ソフィの儚さを崩さずに表現してました。ていうか30歳なのにD2版の頃の儚さ変わらないどころか増してて永遠の繭期じゃん……。髪型も服も今回の方が好きかも。
■ウル(土屋神葉)
土屋家の名前がみんな格好良すぎ問題。
声優さんだから当たり前に声がよく通るんだけど、まって動き。あっ、なるほど劇団ひまわりね~~~~~。
声優というよりもはや役者。下手な若手俳優よりよっぽど優秀。殺陣も所作も美しい(殺陣のスピードが速くてSE追い付いてなかった)。お顔立ちも綺麗。歌もお上手でした。
本人の望みはどうか分からないけど、俳優としての仕事も増えそう。
■ベンジャミン(宮川浩)
ベテランの安心感たるや。多少のハプニングには動じない貫禄があります。
ベンジャミンのバックボーンがめちゃくちゃ気になる。この人で1つ番外編の小説とか書いてくれないかな。。
少しの台詞でも印象を残していく、強烈なキャラクターでした。
■ヘンルーダ(吉野圭吾)
お、お前~~~~~~~~~~~!!!!!おまええええええええええええええ!!!!!!!
いやもうマジで本当お前…(ネタバレへの配慮)
数発殴ってやりたい気持ちと抱きしめてやりたい気持ちが混在するのはヘンルーダ。お前のことは許さねえけど幸せになってほしいよ!!!!!
吉野さん、いつ聞いてもいい声。いつ観てもかっこいい。吉野さんがな。
ちなみに、彼の花言葉の歌は普通に泣きます。あったかい気持ちになる。物語の途中でその理由を知って頭を抱えたけどな。
今回も音楽は和田俊輔氏。
相変わらずの難解なメロディーラインと拍子で思わず笑ってしまった。いやこれ難しすぎない??
馴染みないリズムでも割と柔軟に適応してくれる若手はともかく、ある程度お年を召したベテラン勢にまで容赦なくて震えました。
でもそこはプロ。みなさんきっちり仕事してます。本当に尊敬する。
生執事のサーカス編とか、もはや難しすぎて最初に聞いた時に耳に残らないなんてこともあったけど、今回は難しいけども印象的な曲が多くてそこも楽しかった。
「口外無用!」と「ケルトン出版社(うろ覚え)」と「我は守護者なり」が特に好きです。テンションが上がります※歌詞はいわずもがなそうでもない
実力も音楽も照明も申し分なく、ガッツリ泣かせてもらいました。
まったくもってハッピーな気分にはならないけれど、観てよかったなあとしみじみ思います。
愛は受け取る側が「愛」と認識して成り立つんだと気付かされた。受け取る側がそう受け取らなければそれはエゴだし、でも愛が人の心を生かしてることもまた事実。
辛く酷い展開だけれども、間違いなく愛が主題の物語でした。